大阪・関西万博静岡県ブース「GEO KITCHEN SHIZUOKA」では、静岡の食の魅力を地理・地形、歴史、文化などによって生まれた食材や料理、その過程でかかわる生産者、料理人など、様々な角度からふんだんにアピールすることをコンセプトにしていますが、一番大切にしていることの一つは「味わうこと」。
ブースの最後のゾーン~ 静岡の食をより深く味わうイベント広場~ 「FOOD CAPITAL PARK」では、静岡県内各市町の食材を西谷シェフの手によって料理に変えてご提供する計画があります。
*西谷シェフは自らのことを「NORIです」とご挨拶され、周囲の方からもNORIさんと親しまれているため、本記事でもNORIさんとお呼びすることにします。
参加市町とメニューが決定しました!

(左下)静岡そだちローストビーフ(藤枝市)
(右)浜名湖うなぎ 手まり仕立て(浜松市/湖西市)
(左上)富士のほうじ茶のジェラート(富士市)
焼津市
天然焼津ミナミマグロのタリアータ
森町
遠州森町もろこしパウンドケーキ
森町スイートコーンジェラート
吉田町・川根本町
吉田うなぎの至高の一口結び
川根煎茶のジェラート
浜松市、湖西市
浜名湖うなぎ 手まり仕立て
富士市
田子の浦しらすと富士山麓わくわくコーンのムース
ほうじ茶のジェラート
藤枝市
静岡そだちのローストビーフ サラダ仕立て
飛鳥山のジェラート
富士宮市
紅富士ニジマスのカルパッチョ南伊風
おおまさり(落花生)のジェラート
牧之原市
自然薯の冷製ポタージュ 押し麦とともに
静岡市
駿河湾の恵み 桜海老のカナッペ 本山葵のヴィネグレット
*メニューおよび名ニュー名は2025年4月20に現在のものです。
静岡の食材をシンプルに提供
NORIさんに料理の考案について伺いました。「今回使用した静岡県内11市町の食材は我々静岡県民にとって身近に感じる食材です。ただ、関西ではそれほど馴染みが薄いかもしれません。だから、大阪万博では静岡ではどれもよく見たり食べたりしていていることを伝えた方が良いと思い、当初レストラン風に提供することも考えていましたが、あまり手を加えずシンプルにお出しすることにしました。」
また、「今回の万博では3日間、各時間帯で1~2つの料理を提供します。料理の中には薄味のものもありますが、料理の味の強弱を意図的に使い、全体として一口サイズのコース料理となるようにレシピを考案しました。」とのことです。
なお、今回のイベントでは「ガスが使えないので熱々で料理を出すのが難しいんです。だから常温でも美味しく食べてもらえるメニューにしています。」と、今回のイベントの工夫を明かしてくださいました。
調理サポートおよびサービスは料理を学ぶ静岡の学生の皆さん


「いつまでもベテランが舞台に立つより、これからの学生に自由な発想でかかわってもらいたい。」と語るNORIさん。
今回のフード提供も学校法人鈴木学園 中央調理製菓専門学校静岡校で調理を学ぶ学生の方に参加いただくことになっています。
NORIさんは、今回の万博静岡県ブースでは「学生さんたちをただのサポーターではなく、一緒にやる仲間として迎え入れたい」と話します。メニュー作りや飾り付けを通じて、学生たちの自由な発想を活かす貴重な経験をしてもらうことで、未来に向けてそれぞれのオリジナリティを伸ばす機会が生まれることを期待しているそうです。
「学校で学んだことをベースに新しい体験をすることになるんじゃないかな。その時、学校で身につけたことをどう活かすかが鍵になります。だからこそ基礎をしっかり身につけることが重要です。基礎ができないとアレンジができませんからね。今回の経験が今後の進路選択などさまざまな場面で役立ってくれることを願っています。」とNORIさんは語ります。
ご自身にとっても学生との協業が刺激的か尋ねると、「そうですね。自分自身が若い時に教えてもらった経験を万博という舞台を通じて若い世代に伝えることができることは本当にありがたいです。教えることでこちらも新たに学ぶことがあり、勉強させてもらっているような感覚です。ギブアンドテイクのような、すごくいい関係が築けるといいですね。」とのことでした。
今回NORIさんと調理やサービスを行う学生の方にもお話を伺いました。
多くの方が来る万博にかかわれることが貴重
万博静岡県ブースに関する今回の取り組みについて、学生たちは「これから世界中の方々が来る万博に、自分たちが参加できることをとても嬉しく思っています」と感想を話してくれました。
西谷シェフとの共同作業については「盛り付けに関してアドバイスをいただきました。その中で、自分たちが野菜とメインの食材をうまくバランスよく盛り付ける方法を指導していただきました」と具体的に語り、「あと二ヶ月あるので、百点満点のおもてなしができるように準備をしたいと思います」との意気込みを語ってくれました。
万博後の取り組みについて
NORIさんは、万博後の取り組みの重要性について「やっぱりアフター万博(万博後の取り組み)って、重要なことかなと思うんですよね。万博をただのお祭り騒ぎで終わるわけじゃなくて、万博で出した料理が静岡県内のあちこちで食べられるとか、関わった専門学校のレストランで学生が提供してくれるとか、そういうことが大事だと思います。万博が終わってから、何か続けられるものがある状態がいいですよね。」
今回は静岡県内複数市町が参加し、各市町の食材を料理として提供するため「レシピの共有」も検討されているそうです。美食の中心地として知られるサンセバスチャンでは、レシピの共有を通じてバスク料理の魅力を広め、観光の活性化にも貢献しています。このような取り組みが静岡県内でも実現できれば、今回の万博静岡県ブースの意義もさらに深まるでしょう。
3日間にわたり11市町の食材を西谷シェフと学生の皆様がご提供いたします。ぜひ、ギャラリーWESTで開催される静岡県ブースGEO KITCHEN SHIZUOKAにお立ち寄りください。
【関連情報】
レシピを公開「NORIさんのキャロットラペ」
〖材料〗
・にんじん3~4本
●ドレッシング
・にんにく15g
・オリーブオイルピュア 100g
・ゴマ油 20g
・リンゴ酢 60㏄
・グラニュー糖 25g
・塩 小さじ2
・黒コショウ 少々
・レーズン お好みで
・ナッツ類(アーモンド、ピスタチオなど) お好みで
〖作り方〗
(1) にんじんを刻んで塩二つまみをまぶし10分~15分程度置く。ドリップが出てきたら絞る。
(2) ドレッシングの材料をまぜ完成
シェフが静岡県内市町の食材を料理に変えてご提供
シェフが静岡県内市町の食材を料理に変えてご提供 | GEO KITCHEN SHIZUOKA
学校法人鈴木学園 中央調理製菓専門学校静岡校
学校法人鈴木学園 中央調理製菓専門学校静岡校は、調理・製菓の専門技術を学べる実践的なカリキュラムを提供しています。業界で即戦力となる人材を育成するため、現場に即した授業と最新設備を整備。国内外のトップシェフやパティシエから学べ、個性を尊重した指導が行われています。卒業後は、レストランやホテル、製菓業界などで活躍する卒業生を輩出しています。
静岡県では、全国トップクラスの多彩な「食材の王国」である優位性を生かした観光振興を図るため、ガストロノミーツーリズムを「美味ららら」と言うブランドで推進しています。2023年度には、その一環として、「美味らららダイニング」(ダイニングイベント)を開催しましたが、当学園の学生は二度にわたりサービススタッフの役割を担いました。
前田尚毅氏プロデュース 静岡県ガストロノミーツーリズム ダイニングイベント「第一回美味らららダイニング 富士山から駿河湾~日本一の高低差~」
2023年11月29日(水)に、静岡県が主催する「美味らららダイニング」が「富士山本宮浅間大社」(静岡県富士宮市宮町1-1)で開催されました。世界の料理人が注目する焼津のサスエ前田魚店の店主・前田尚毅氏が総合プロデュースを担当し、普段は食事のできない「富士山本宮浅間大社」を会場に、国内外から注目を集める静岡県と新潟県のトップシェフ4名が、静岡県産食材をふんだんに使った、一日限りの特別な饗宴を実現。この日のテーマは「富士山から駿河湾~日本一の高低差~」。富士山からスタートし、地上、そして海に入り、深海、そして最後は地球のマグマへと、それぞれの場所を表現した料理が展開されました。
https://shizuoka-gastronomy.jp/topics/rarara/871
静岡県ガストロノミーツーリズム ダイニングイベント「第二回美味らららダイニング「ふじのくにの新和食」新進気鋭の和食料理人が一日限りの饗宴」
2024年2月15日(木)に、静岡県が主催する「美味らららダイニング」が「ふじのくに茶の都ミュージアム」で開催されました。ダイニングのコンセプトは「ふじのくにの新和食」。地球沸騰化の時代が到来し、より地球に優しい行動を心掛ける意識が大きくなってきている今の時代に、多彩な食材に恵まれる静岡県で料理人は何ができるのか?「ふじのくに食の都づくり仕事人」でもあり、静岡を代表する新進気鋭の2人の和食料理人が手を組み、アイデアと技術を駆使した新しい和食に挑戦しました。海のもの、山のもの、その全てに感謝し、古から未来へ静岡の食の豊かさを繋げていくイベントになりました。